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〜等伯と若冲、京に縁の2大絵師〜                         建仁寺塔頭両足院の新春特別拝観

 

臨済宗建仁寺塔頭 両足院             京都 臨済宗建仁寺塔頭 両足院 2010/1/17


         先日訪れた、京都建仁寺境内に佇む建仁寺派「両足院」です。
         300坪の境内には4つの庭がありますが、山門をくぐると
         まずはこちら、白砂と青松そして敷石の美しい唐門前庭です。         


  


         今回は新春の特別拝観ということで、唐門の前に立て札があり、
         写真左手、唐裏から入場をさせていただきました。

         建仁寺へは、そうとは知らず立ち寄ったのですが、この両足院で
         「等伯若冲の新春特別公開」の案内が目にとまりましたので、
         早速、京都の寺社ならではの優品ばかりを拝観することにしました。



両足院新春特別拝観〜等伯と若冲、京に縁の2大絵師〜poster 

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                       新春特別公開
                〜等伯と若冲、京に縁の2大絵師〜 
                  
  2010/1/1〜1/17
等伯と若冲、京に縁の2大絵師                  臨済宗建仁寺派 両足院
                     RYOUSOKUIN
             京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町591                    
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              新春の寺宝公開とあって、「松竹梅」にちなんだものが多く
       特に書院の展示物には、華やかでひと目を惹くものがありました。



両足院 書院                        両足院 書院


      この書院で拝観した、鶏の画家として名高い若冲の「雪梅雄鶏図」です。
      絵画の対象として、デフォルメされていない「鶏」を観るのは苦手ですが、
      さすがに若冲の描く雄鶏、特に尾羽の描写にはやはり目を見張ります。


両足院新春特別拝観〜等伯と若冲、京に縁の2大絵師〜                   伊藤若冲 「雪梅雄鶏図」 (部分)


          たっぷりの雪をたくわえた老梅と、春を呼ぶ枝先の鶯、
          そして樹幹に絡みつくような椿(サザンカ?)と雄鶏の肉桂の色、
          白雪と紅色に加えて葉の緑のコントラストが印象的な絹本です。

          この画像では確認できませんが、左下に配された水仙には、
          雪の重みに耐えかねたような葉の描写が施され、それに比して
          花形は「雪中花」ならではの「きりり」とした姿で描かれていました。

          また、この書院には相国寺の都管の職にあり、
          足利将軍家の御用も務めたといわれる周文が描いた、
          見事な紙本墨画、「黒梅図」も掲げられていました。



長谷川等_没後400年特別展 front


          ところで、今年は「長谷川等伯没後400年」ということで、
          代表作の国宝や重要文化財をはじめ、ほぼすべての作品が、
          一挙大公開される催しが東京・京都で予定されていますね!          
          
          桃山絵画の巨匠「長谷川等伯」には、過去の展覧会でも
          魅せられた作品が多く、機会があれば触れたいと思っています。
          
          等伯といえば、まず浮かぶのが国宝「松林図屏風」でしょうか。
          この屏風の前に佇むと、まるで吸い込まれるようです。

          郷里である能登七尾の心象風景を描いたとも云われますが、
          しずかで詩情漂う水墨の作品は、独特の松の構図が印象的で
          一度拝観すると忘れ難く、その趣に魅せられる方は多いですね。
          
          はじめは「信春」と名乗り、仏画を多く描いていたようですが
          故郷の七尾を後に33歳の頃、上洛したと云われています。
          上洛後は「等伯」と号し、強い意志をもって画道に励み、
          あらゆる画法を瞬時に習得していったそうです。

          当時主流であったのは、狩野永徳率いる「狩野派」でしたが
          等伯の狩野派への対抗意識(力)は、やがて独自の画風を確立させ、
          後に長谷川派と呼ばれる絵師たちを率いるまでになる源でした。
          
          当時、京都では第一の寺とまで云われた祥雲寺(現 智積院)の
         金碧障壁画はこの長谷川派によるもので賞賛を浴びています。
        
      

                   
          さて、いつもなら京都国立博物館へ寄託されているはずの、
          等伯の障壁画「水辺童子図(別名・松下童子図)」を、
          今回はガラス越しではなく本来あるべき姿で、
          直に観る機会に恵まれた訳ですが...

          襖の前では腰をおろし、しばし見入ってしまいました。
                    随所に、等伯晩年の作風がみてとれました。


両足院坪庭


         襖絵「水辺童子図」を拝観し、この坪庭を通り本堂に向かいます。 
          次は昨年修復され、秋にも公開された屏風「竹林七賢図」です。

          今回初めての拝観でしたが、この屏風が展示された本堂と
          襖絵のあった部屋を何度も行ったり来たり見比べますと、
          「水辺童子図」のなんとも微笑ましい童子の衣線や、
          岩波の画法には、「竹林七賢図」と類似の筆法がみられました。
    
          また、この「竹林七賢図」の屏風には「長谷川」と「等伯」、
          二つの印が備わっていて、さらに次の署名も確認できました。

          「自雪舟五代長谷川法眼等伯筆
          
          雪舟の門人、等春に学んだ等伯でしたが、
          水墨画の本流を意識したからでしょうか...
          60歳を過ぎた頃より、己の画系の祖を雪舟と記すことで、
          自雪舟五代」を自称したという等伯には、
         齢を重ねても尚衰えない、みなぎる野心さえ感じます。
  
          
          晩年の等伯は「長谷川一門」の家運を賭け、
                    高齢をおして、江戸に下向したようですが、
           旅の途中で病に伏し、無念だったでしょうが
          江戸に到着後まもなく逝去しています。
          
          その作品には常に新しい創意が加えられ、
          生涯にわたり、作風の変化を試みた等伯...                          

         以前は等伯というと、水墨画のイメージでしたが
         4,5年前に出光美術館の展覧会で観て以来、
         着色画家としての等伯にも魅了されています。

         そこで出合えた「萩芒図屏風」という屏風にあった、
         右隻の美しい萩と左隻に描かれた芒が忘れられません。
          
         
         ところで本堂では「竹林七賢図」屏風の他に、
         六曲二双の四季の竹が描かれた屏風もありました。
          (これはどなたの筆によるもでしょうか...)
                さらに李義養が描いたという一幅の「暭虎図」も拝観しました。



両足院本堂脇庭

         本堂を後に、書院に向かう回廊から眺める庭園です。



両足院本堂脇 枯山水

         両足院境内の4つの庭は、先述の唐門前庭と坪庭、
         そして、この本堂脇の枯山水...



両足院回廊                  
         
          さらに、書院東面には池泉廻遊式庭園が広がります。
          回廊から望む名勝、林泉庭です。 



両足院池泉廻遊式庭園       



書院東面池泉廻遊式庭園:名勝林泉庭                  名勝 林泉庭(池泉廻遊式庭園)

           この庭園の北岸、つまり正面に並んでみえる茶席のうち、
           ひとつは現在、犬山に佇む「如庵」の写しだそうです。




両足院:唐門前庭03                                        両足院唐門から山門を望む
                             

          等伯没後400年、東京・京都のビッグイベントに先がけ、
          足跡を残している、この建仁寺派「両足院」にて
          特に晩年の秀作2点を拝観できたのは有意義でした。

 


                 臨済宗建仁寺派 両足院
                    RYOUSOKUIN
      ===============================================
            京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町591
                   TEL : 075-561-3216  
                            (受付 9:00〜17:00)
               http://www.ryosokuin.com/
     * 2010新春特別公開〜等伯と若冲、京に縁の2大絵師〜は終わりました。



                    +++長谷川等伯 没後400年特別展まもなくです!+++

長谷川等_没後400年特別展
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                  没後400年 特別展 長谷川等伯
                  2010/2/23(Tue.)〜3/22(Mon.)

              東京国立博物館 平成館(上野公園)
             Tokyo National Museum Heiseikan
                    東京都台東区上野公園13-9
                 TEL: 03−5777-8600(ハローダイヤル)
                             http://www.tohaku400th.jp/index.html
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               没後400年 特別展覧会 長谷川等伯
                  2010/4/10(sa.t)〜5/9(sun.)

                    京都国立博物館
                Kyoto National Museum
                    京都市東山区茶屋町527
              TEL: 075−525-2473(テレホンサービス)
                                        http://tohaku.exh.jp/
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