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伊勢河崎商人館 PART @三重県伊勢市

le21fevrier2010_伊勢 河崎商人館              三重県伊勢市河崎  伊勢河崎商人館の蔵 


      伊勢市勢田川沿いの河崎地区の古い街並みを訪ねました。
      切妻の瓦屋根や妻入の町家、そして蔵は江戸時代からのもの。 

      「鼓ヶ岳」を源流とし、伊勢湾に流れ込む勢田川では
      伊勢神宮に献上する魚が獲られていたそうですが、
      流域は昭和20年代まで港町として栄えていたそうです。

      とりわけ河崎の港には、勢田川の水運を利用して各地から、
      大量物資が集積されたそうで大問屋街として賑わったようです。

      大きな商店の裏側の川べりには船着き場や土蔵が設けられていて、
      河崎は伊勢の台所としての役目を担っていたようです。

      神宮への参拝客は、今も衰えることなく全国から訪れますが
      戦後、その輸送手段が水上交通から陸上輸送にかわったこともあり、
      往時は豪商が並んだ問屋街からは、陸上輸送に適した郊外へと
      移転してゆく商店もあり問屋街としての河崎は衰退したようでした。

      時を経て、1998年に老舗の造り酒屋「小川商店」の敷地に
      マンション建設計画が持ち上がった際、建物の寄贈を受けた
      伊勢市は保存のためにその土地を買い取り、整備にあたりました。



伊勢河崎商人館                      伊勢河崎商人館



    こうした状況のなかで、「河崎の歴史的遺産」を後世に残すべく
    熱心な住民たちにより設立されたのがNPO法人「河崎まちづくり衆」です。

    「旧小川商店」は2002年に「伊勢河崎商人館」としてオープンされ、
    運営はこのNPO法人があたり、観光スポットとしても関心を集めています。

    ですがよくある観光客を集客するための、展示物としての町ではなく
    人が住まわれ、生きている町ですから地元の方との触れ合いに心温まります。





伊勢河崎商人館(旧小川商店)          伊勢河崎商人館 母屋(事務所)と商人倶楽部の入り口


      江戸時代から酒問屋を営んできた旧小川商店が修復されています。
      延べ1,000屬良瀉脇發砲蓮■嘉錣諒豌阿搬■慧錣あります。

      この母屋(事務所)の前の通りを挟んだ手前に「商人蔵」があり、
      "壱の蔵""弐の蔵""参の蔵"と並んで佇み、ここは商いの空間でした。

      「歩いていて落ち着く」
      「住んでいて心が安まる」
      「生活のにおいがする」
      これが河崎にお住まいの方たちにとっての町の魅力だそうです。



伊勢河崎商人館資料館                    伊勢河崎商人館「資料館」



       敷地内の蔵は、「資料館」として公開されていました。
       往時の河崎の歴史や文化を伺い知ることのできる資料があります。
       

伊勢河崎商人館 蔵






          きざみ囲いの板壁は、なんとも趣があります。
          黒のキャンバスにあしらわれた白枠の小窓、
          錆びたブルーとのコントラストが美しく際立っていました。

          近づくと板にボルトが施されているのが見てとれました。




伊勢河崎商人館 博物館エントランス                 伊勢河崎商人館蔵 博物館エントランス


       蔵のなかは、ずっしりと重厚感が漂って歴史を感じさせます。
       所々、補強の建具が目立ちましたがやはり、頑丈そうな造りでした。



伊勢河崎商人館 蔵


     館内には思いのほか、興味をそそられる文献があり驚きでした。
     旧小川商店、「小川宗徳」の愛蔵書が収められた本箱には息を呑みました。

     これには、「内裏歌合」、「玉あられ」といった和歌のための指南書が18種、
     本居宣長の著作をはじめ、78冊に及ぶ書物が収められていたようです。

     実際に「古今集」や、「古今集遠鏡」などの展示もされています。
     「古今集遠鏡」は本居宣長によるもので、「古今集」の口語訳本です。
     これは、明治の頃まで口語訳の基本となったものだそうです。
     
     いつの時代も、名詩は読み継がれてきたと思うのですが、
     昨今では古典に関心の薄い若い世代も増えているとききます。

     ここは、「小川宗徳」がいかに熱心に和歌に取り組まれていたかが
     伺い知ることのできる展示内容で、忙しさのなかで詩情を忘れつつある、
     今を生きる者たちへの、時を超えるメッセージのようにも受け取れました。

     江戸中期、漢方医によって編纂された「和漢三才図会/わかんさんさいずえ」、
     これはいわゆる図入りの百科事典のようでしが、こんな本もありました。



伊勢河崎商人館 資料館                  


      また、この資料館には「伊勢春慶」等の工芸品も陳列されています。
      博物館としても興味深い空間で、ゆっくりと観させていただきました。


      ところで、資料館を出て河崎の町を散策中に、
      ふと、こんなマンホールが目にとまりました!
      江戸時代のお伊勢参りの様子が映されているのでしょうね。


伊勢市河崎 manhole

      
      この通りを歩きながらしみじみと思うのは...
            有志の方たちの町づくりに対する取り組み方です。

      けっして観光客を大勢集めるというのではなく、
      住民が住んでいて愛着と誇りを感じられるような、
      そんな町づくりを目指しておられるのがひしひしと伝わってきます。         

      温かく見守ってゆきたいと思いました。




伊勢河崎商人館 (2001登録有形文化財)
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三重県伊勢市河崎2-25-32
OPEN  ;9:30〜17:00
CLOSE ;Tue. (祝日の場合は翌日)
http://www.e-net.or.jp/user/machisyu/
Pあり(無料)
最寄IC 伊勢自動車道・伊勢西IC.(15分) 
最寄駅  JR 「伊勢市」駅     
           近鉄「宇治山田」駅
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管   理:NPO法人伊勢河崎まちづくり衆
事務局:TEL・FAX :0596-22-4810
      Eメール:machisyu@e-net.or.jp
* 伊勢市が「旧小川酒店」を整備したこの「伊勢河崎商人館」は
   住民が設立したNPO法人河崎まちづくり衆が運営しています。
   ここは住民のまちづくりの拠点としても活用されているようです。 
  事情も知らず、予約なしで伺いましたが大変親切な応対でした。
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