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徳川美術館 特別展「尾張徳川家の雛まつり」

le1mars2010徳川美術館黒門                            名古屋 徳川美術館 黒門


      三月...
      桃の節句に、にわかに華やいだ気分になる女性は多いでしょう。

      お雛祭りは地方によって風習は異なるようですが...
      その原点は厄払いをするという禊(みそぎ)にあったようですね。

      古(いにしえ)の中国で始められた行事はいつしか日本に伝来し、
      「上巳の節供」として3月3日に行われるようになったそうです。

      江戸の頃より盛んになったというお雛まつりですが、
      平安時代は宮廷行事とされていたものが、時を経て
      庶民のあいだにも普及し、豪華さも増していったようです。

      お雛様やお道具を、童心にかえって楽しむ...
      女性なら、どなたにもきっと思い出の雛があるでしょう。      

      婚礼のお道具として一緒にやってきた愛蔵の雛人形はともかく、
      嫁ぐ前に愛でていた母親たちの雛に懐かしさを覚える方も多いでしょう。

      お雛まつりは春を迎える準備でもありますので、
      昨今の住宅事情にあって、雅やかで大袈裟なことはしなくとも、
      しつらいのどこかに、春の訪れを感じる彩りが欲しいもの...
      季節感が失せつつある今の時代だからこそ大切にしたい行事ですね。
      
            
      さて、写真は昨日訪ねた名古屋市の徳川美術館です。
      上巳の節供を目前に、名家に伝わる典雅なお雛さまを観てきました。
      ただ今、特別展「尾張徳川家の雛まつり」を開催中です。

      桃の節句の頃の恒例ですが、初公開の雛も華やぎを添えていました。
      それは高橋博子(尾張家20代義知令嬢)様所用の内裏雛飾りでした。
      二葉葵の文様は目に新しくもあり、優美なものでした。      
      
      また「秩父宮妃殿下ご遺愛のお雛さまと雛道具」も特別公開されています。
      皇室のお雛様というだけあり男雛の冠や装束なども珍しいものでした。




特別展「尾張徳川家の雛まつり」



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                  特別展   「尾張徳川家の雛まつり
                   2010/2/6(Sat.) 〜 4/4(Sun.)

            ● 福君(さちぎみ)さまの雛道具  菊折枝蒔絵雛道具
                                                                  抱牡丹紋散蒔絵雛道具
                                  鉄線唐草蒔絵道具
            ● 矩姫(かねひめ)さまの雛人形・雛道具
            ● さまざまな人形・雛道具
            ● 合貝(あわせがい)
            ● 尾張徳川家三世代(19.20,21代)にわたる雛段飾り                      

                           特別公開
                秩父宮妃殿下ご遺愛のお雛さまと雛道具
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                      徳川美術館・中日新聞社



徳川美術館



     尾張徳川家19代義親氏が徳川美術館の創始者というのは周知ですが
     20代、さらに21代と明治から昭和の時代まで尾張徳川家三世代にわたる
     お雛さまの段飾りからは、その夫人たちの心ばえまでもが窺えるようでした。

          
       
     
内裏雛飾り<貞徳院矩姫(尾張家14代慶勝夫人)所用>            内裏雛飾り 貞徳院矩姫(尾張家14代慶勝夫人)所用


      
      また、第5展示室では<大名の雅び 〜奥道具〜>と題して
      大名やその夫人の豪華な蒔絵の調度品も公開されています。

      ここには先述の、尾張家十一代斉温(なりはる)に嫁いだ福君(さちぎみ)の
      実際の入輿(お嫁入り)道具の数々が展示され、興味深く拝見しました。

      菊折枝蒔絵眉作箱・菊折枝蒔絵手拭掛・菊折枝蒔絵側箪笥など、
      近衛家と徳川家、両家の家紋(抱牡丹と葵)が散りばめられたもので
      
      特別展にあった雛道具は、この婚礼調度のミニチュアでしたが、
      両者を比べると、雛道具がいかに精巧に作られたものかがわかります。
      初音蒔絵硯箱(国宝)も必見です。<※この硯箱は3/3までの公開>


      そして展示室で、興味深く拝見したのは尾張家二代光友夫人所用の、
      つまり雲仙院千代姫の奥道具のなかにあるいくつかでした。

      重文の「銀桧垣に梅図香盆飾り(17C江戸)」。
      これは木胎の上が薄板で包まれた銀貼りの香盆でした。
      見込みの部分には打刻により亀甲文様地に桧垣と梅の老木、
      立上の内外に葵紋が施されていました。

     
      またさらに、圧倒的な引力で魅了されたのは千代姫の奥道具に
      収められていた室町時代の軍記物「曽我物語」でした。
      展示会の主旨からは、はずれますが...
      そこには美しい色の表紙が施されていました。

      山雪様の老梅の意匠が華麗な蒔絵箱に納められ、
      婚礼道具のひとつとして作られたもののようですが、
      「老梅蒔絵書物箱(17C江戸)」より、そちらに目がいくのです。(笑

      史実に基づいた軍記物「曽我物語」の、その表紙は
      縹(はなだ)色の具引紙に金箔が撒かれたもので、
      金泥で描かれた草花が美しく、品格を湛えたものでした。
      心の奥底がぐらりと揺すられるものとの出合いは至福のとき...


      さらに加えるならば、これもまたお雛まつりから外れますが
      茶道具の展示室で観た「朱塗手燭 一対19C江戸)のことも...
    
      手燭は、茶事に使われるお道具ですが、
      例えば「夜咄」や「暁の茶事」といった夜間に使われるもの。
      露地を照らしたり、床の間やお道具拝見の際に用います。

      朱塗りは裏千家五世「常叟宗室」の好みだとききますが、
      これは、中村宗哲七代によるシンプルで美しい手燭でした。



徳川美術館エントランスから眺める黒門


      ということで、お雛祭りから飛びましたが覚書は以上です。
      「大名の雅び 〜奥道具〜」は3/4に展示替えがあるようで、
      次には千代姫所用の「胡蝶蒔絵手箱(1639 江戸・寛永)」が
      展示されますから、また機会があれば立ち寄りたいと思います。      

      遠方からのゲストをお連れしたので、月曜も開館で助かりました。
      雨にも降られることもなく、ラッキーでした。
      昨日は時間の都合で、庭園のご案内はできませんでしたが
      美術館内の食事処で「雛御膳」を御一緒いたしました。 

  
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                    追記!!    「宝善亭」の雛御膳 @ 名古屋徳川美術館     
                「宝善亭」」のお値打ちな雛御膳のご紹介です。
        春を彩る食材が散りばめられ、お雛祭り気分が盛り上がります。
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                    徳川美術館
             THE TOKUGAWA ART MUSEIN
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                  名古屋市東区徳川町1017
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                   OPEN:10:00〜17:00
                   月曜日休館です。Pあり
                  http://www.tokugawa-art-museum.jp/index.html
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                【 特別展「尾張徳川家の雛まつり」】
             ※  この企画展は2010/4/4(Sun)迄です。
             ※  第5展示室では「大名の雅 〜奥道具〜」も展示中。  

                         ● 徳川美術館関連記事はこちらです。
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           物語の森へ ☆ 絵巻物で観る古典 2009/9/30

           観月 〜徳川園で風雅な夜〜    2009/10/4 
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