Chimonanthus praecox f. concolor Makino/ソシンロウバイ
冬枯れのなかで、梅に先がけて花をつける木...
鼻腔をくすぐる香りに惹かれ、散策中に愛でた満開の蝋梅(ロウバイ)です。
リナロール、ボルネオール、1,8-シネオール、ファルネソール、カンファー、etc...
放たれるこれらの香りの粒が相まって、澄んだ芳香を醸し出していました。
蝋梅の花弁は厚くて、蜜蝋(beeswax)のような色艶で蝋細工を思わせます。
種子や葉は有毒性のアルカロイド(CalycanthineやChimonanthine)を含みますが、
花蕾から抽出する「蝋梅油」は、サリチル酸や安息香酸、樟脳(カンファー)等と
配合することで、皮膚疾患の軟膏(華佗膏/かだこう)成分としても利用されています。
蝋梅(ロウバイ)の品種は、いろいろ...
写真は、花色が全体に黄色の淡いトーンで染められている変種です。
「素心蝋梅(ソシンロウバイ)」と呼ばれ、茶花としても親しまれているものですね。
淡い花色、透明感、うつむきかげん...
これらが「素心」という言葉と響き合います。
飾らず、気どらず、素の心で...
なんとも、ゆかしく枯淡な趣です。
--------------------------------------------------
Chimonanthus praecox f. concolor
ロウバイ科ロウバイ属 ソシンロウバイ
---------------------------------------------------
このラテン名の表記にある、「 concolor 」は同色の意...
外側と内側(中央)の花被片の色を異にする「ロウバイ」とは少々異なり、
「ソシンロウバイ」の花被片は、内も外も同色の淡黄で統一され、実にシンプルです。
薄曇りの空の下...
この日は、「生薬学・薬用植物学」をご専門とされる方のお供でした。
お仕事絡みのご縁ではありますが、その方の素朴で優しいお人柄ゆえ、
コンデジを片手に、早春を彩る植物たちを、観察しながらの散策は愉しいものでした。
さて、こちらは林床に群生する、春一番に咲く花...
Adonis amurensis Regel Radde/フクジュソウ
生命力が強く、縁起もので知られるキンポウゲ科の福寿草ですが、
日照条件や気温には敏感で、デリケートな面も...
この日は、時折射す光に応えるように開花してくれていました。
「福」がいっぱい!!「寿」もいっぱい!!
キンポウゲ科 福寿草
ご一緒した方は、「カメラは趣味のひとつ」と仰るだけあり、
また、絵心もある方ですので、流石に見事な写真を撮られていました。
ご著書の植物図鑑等には、ご自身が撮り溜めた中から掲載されるものもあり、
ここではご紹介出来かねるのですが、それらはプロカメラマンのお墨付きだそうです。
散策中、時々私のコンデジを覗き込まれては、「カメラを変えた方がいいね!」と...
大変シンプルなアドバイスをいただきました!(笑
追記
--------------------------------------------------------
東山植物園 関連TOPIC by Richesse
茶花の銘椿 〜有楽〜 @東山植物園 2011/3/3
--------------------------------------------------------
名古屋市東山総合公園(東山動植物園)===========================================
名古屋市千種区東山元町3-70
http://www.higashiyama.city.nagoya.jp/index_pc.php
TEL:052-782-2111(代表)
OPEN;9:00〜16:50(入園は16:30まで)
CLOSED;Mon.
有料Pあり