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フェルメールは去りましたが... ☆ 豊田市美術館                    −フェルメールとオランダ・フランドル絵画展−そして...

le28aout_愛知県豊田市美術館_ フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展                 愛知県豊田市美術館 2011.8.28(Sun)

建築家、谷口吉生氏の代表作として名高い「豊田市美術館」です。
県下の美術館では、ここがいちばんのお気に入り...

地形の傾斜がいかされ、すっきりまとめられた建築、
ランドスケープは、ピーター・ウォーカー氏のデザインです。



 愛知県豊田市美術館

美術館の東に豊田の街、そして西には豊かな緑...
この土地ならではのコンテンクストが映し出された建築です。

奇をてらわず控えめで、美術館としての「箱」という役割を全うし、
穏やかな表情を湛えながらも、凛とした構えです。

モダニズム建築の巨匠、故・谷口吉郎氏を彷彿させ、
洋の建築であっても、和の風情さえ漂ようようです。

数寄屋の洗練も備えられた谷口吉生氏ならではの佇まい...
2階テラスから、人口池を挿んだ眺望も素晴らしいです。



愛知県豊田市美術館_ 企画展フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展

水に浮かんでいるような、美しい景観です。
カーテンウォールの縦横に走る繊細なサッシュは、折り目正しい気品を漂わせます。

そして、展示棟と高橋節郎館をシャープに結ぶ長大な庇...
池の向こうのファサードに奥行感と、そして建物全体に安定感を与えています。
谷口吉生氏が手がけられる建築は、どれもそれ自体が上質なアートのようです。



愛知県豊田市美術館_ フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展

国内の美術館は、主に企画展を意識した空間構成が多いようですが、
常設展示スペースがコアですので、ここには特別展がなくとも訪れたくなる...
豊田からフェルメールは去りましたが、お薦めの美術館です!



Seated Woman:Thin Neck(1961)_Henry MOORE_豊田市美術館         Seated Woman:Thin Neck(1961)_Henry MOORE
              庭園に配されたヘンリー・ムーアのブロンズ


訪れたこの日は、あのスペシャルな EXHIBITIONが終幕の日でした。
フランクフルトのシュテーデル美術館の改築工事に伴い、開催された企画展で、
フェルメールをはじめ、レンブラントやブリューゲル等フランドル絵画がきていました。

豊田に’フェルメール、来たる’と耳にしながら、比較的身近な美術館ですので、
夏休み(自分の)が終わってから訪ねようと、のんびり構えていましたら最終日!

閉館時間が迫る遅い訪問でしたが、駐車場も満車で並んだほど...
大阪ナンバーや兵庫ナンバー等、その他県外からの車が目立ちました。
覚悟して出かけましたが、フェルメールの人気には改めて驚かされます。



愛知県豊田市美術館_ 企画展フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展                  アプローチから望む豊田市美術館

芝生広場に面したエントランスに向かいます。



シュテーデル美術館所蔵 フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展_豊田市美術館                    シュテーデル美術館所蔵
        フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展
                ”大航海時代”あらわる



大航海時代、果敢に世界へと乗り出し、驚異的な勢いで国力を高めていたオランダ。繁栄を誇る市民層とともに、17世紀のオランダ・フランドル絵画は黄金時代をむかえます。歴史画や肖像画に加えて、日常生活を描いた風俗画や風景画が大きな展開をみせ、そして静物画が多大な人気を得たこの時代、フェルメール、レンブラントやフランス・ハルス、またはルーベンスやブリューゲル等の巨匠たちが個性を競いました。
本展はシュテーデル美術館(ドイツ、フランクフルト市)の所蔵作品より、フェルメールの《地理学者》を含む名品95点を展観するものです。また同時代に製作された地球儀や天球儀、古地図等もあわせて特別展示します。
                                 豊田市美術館リーフレットより抜粋



フェルメール(地理学者)とオランダ・フランドル絵画展」の会場は、
賑わいをみせ、特に「地理学者」の展示前は人で溢れていました!
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■ 地理学者 1669年(油彩・キャンバス)
  ヨハネス・フェルメール
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この部屋にはファルクの地球儀や、対で制作の平戸藩主松浦家に伝わる天球儀、
また、東インド会社の商船で使用されたというコンパス等も展示されていました。

閉館の時刻が迫り、同時開催の別の展覧会も気になり足早に観てしまいましたが、
レンブラント工房のお弟子さんたちの作品が、比較的多かったように思えました。

レンブラント・ファン・レインの作品としては、最初の展示室にあった「ダヴィデ」と、
次の展示室に掲げられていた肖像画↓の2点がきていたようでした。
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■ サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ 1630年頃~31年頃(油彩・OAK)
■ マールトヘン・ファン・ビルダーベークの肖像 1633年(油彩・楕円OAK)
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ルーベンスの死後、トロウニーに加筆されたという「ダヴィデ」が印象的でした。
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■ 竪琴を弾くダヴィデ王 1616年頃~40年代後半
  ペーテル・パウル・ルーベンス/ヤン・ブックホルスト
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苦手でスルーした作品もいくつかありましたが、構成は以下の通りでした。

1.歴史画と寓意画
2.肖像画
3.地誌と風景画
4.風俗画と室内画
5.静物画


今回、心に残っている美しい作品はこちらの海景画でした。
Post Cardはなく、画像もありませんが覚え書きですので悪しからず...
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■ 静かな海の上の小船と帆船 1780年頃(油彩・OAK)
  ヤン・ファン・フォス
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18Cオランダの画家、ヤン・ファン・フォスによる小さな作品です。
構図はレンブラントの風景画を彷彿させるすっきりしたもの...

17Cに於ける海軍や海洋貿易は、確かにオランダの誇りなのでしょうが、
威風堂々とした海景画の多くには、なにやら圧倒されてしまいます。

ですがこの作品には、暖かい色調が満ちていて、
雲と海、薄いブルーとアプリコットのコントラストが美しく、
さらに、手前に浮かぶ一艘の手こぎ船が時間を緩めるようで、
この作品の前では、穏やか呼吸できました。


そしてこちらは、記念に何か一枚と購入したPost Card ...
正方形のオーク材に、17Cデルフトの旧教会が描かれていました。

デルフトは、17Cオランダ共和国のなかでも特に裕福な街だったようです。
デルフト焼きが有名ですが、オランダ東インド会社の倉庫もここにあったそうです。

この作品を制作した、ヘンドリク・ファン・フリートもこの街に生まれ、
案内によると、デルフト教会の室内画を専門とする画家のようでした。


Post Card:シュテーデル美術館蔵 ヘンドリク・ファン・フリート(デルフトの旧協会の内部)1660-63年頃 油彩・板(オーク材)        Post Card:シュテーデル美術館蔵 ヘンドリク・ファン・フリート
           (デルフトの旧教会の内部)1660-63年頃 油彩・(OAK)

1675年、この旧教会にヨハネス・フェルメールが埋葬されたのだそうですが、
嬉しい時も悲しい時も、当時デルフトの人々はここに集まっていたのでしょうね。


本展では、フェルメールによる希少な絵画は「地理学者」1点に留まりましたが、
フェルメール作品の場合は、「好きか嫌いか」という本能で向き合うよりは、
ほとんどが、歴史的意識や文化などを紐解くことに興味がそそられています。

ですが感覚的に魅かれる作品もあり、それはこちら
シュテーデル美術館の所蔵ではありませんが...
ワイドナー・コレクションの「Woman holding a balance」



そして...
同時開催の、松井紫朗氏によるこちらの特別展がとても楽しかったです!

豊田市美術館 特別展 松井紫朗-亀がアキレスに言ったこと_新しい世界の測定法        「松井紫朗−亀がアキレスに言ったこと 新しい世界の測定法−


「手に取る宇宙〜Massage in a bottle〜」を提案された松井紫朗氏の、
それは巨大な体験型インスタレーションにはじまるもので、ワクワクしました。

「あいちトリエンナーレ」の「CHANNEL」でもお馴染みの松井紫朗氏ですが、
あの全長100メートルにも及ぶ巨大な緑のバルーンは話題を呼びましたね。
本展でも、巨大なバルーンの新作がが登場!
今回は真っ青なバルーンで、フワフワしたトンネル内を裸足で歩きました!

80年代の初期の作品から90年代、そして現在へと...
年を追うごとに、スケールが大きくなっているような気がしました。

読売新聞によれば、この日は会期中最多(3140)の入館者を記録したそうで、
71日間のSPECIAL EXHIBITION は、盛況のうちに閉幕されたようでした。


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シュテーデル美術館所蔵
フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展
Vermeer “The Geographer
The Golden Age of Dutch and Flemish Paintings

”大航海時代”あらわる

2011.6.11(Sat)−8.28(Sun)
会場 豊田市美術館
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主催: 豊田市美術館.読売新聞社.中京テレビ放送
後援: ドイツ連邦共和国大使館.ドイツ連邦共和国総領事館.
    オランダ王国大使館.ベルギー大使館.
協賛:東海東京証券、みずほ銀行/特別協力: ぴあ
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*この企画展は終了しました。

■ シュテーデル美術館所蔵 フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展
  京都市美術館のフェルメール展はチケット(半券)持参で割引されます。
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 ※「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」展 見よ、天才レンブラント
  (名古屋市美術館 2011.6.25-9.4)
    関連エントリー 2011.8.10 by Richesse:blog内リンク
 ※「フェルメールからのラブレター展」
  (京都市美術館 2011.6.25-10.16)
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同時開催されました
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松井紫朗−亀がアキレスに言ったこと 新しい世界の測定法−

2011.6.11(Sat)−8.28(Sun)
会場 豊田市美術館
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主催:豊田市美術館
協力:帝人株式会社.太陽工業株式会社.JAXA宇宙航空研究開発機構



豊田市美術館入り口付近 七州城の隅櫓(復元)                             七州城の隅櫓(復元)

こちらは美術館入り口付近に復元された七州城の隅櫓です。
美術館が建つ高台の一角には、かって七州城(挙母城)があったそう...



豊田市美術館
Toyota Municipal Museum of Art
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愛知県豊田市小坂本町8丁目5番地1
http://www.museum.toyota.aichi.jp/home.php
TEL; 0565-34-6610
OPEN; 10:00−17:30(入場は17:00まで)
CLOSED; Mon.
               2011.8.29[Mon]〜9.16[Fri]展示替えのため休館
               2011.12.26[Mon]〜2012.1.6[Fri]休館
ACCESS: 東名高速道路 豊田IC./東海環状自動車道松平IC. より約15分
       伊勢湾岸自動車道・豊田東IC
       名鉄豊田市駅/ 愛知環状鉄道新豊田駅 より徒歩15分
Pあり
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建築設計:谷口建築設計研究所
       (担当)谷口吉生、高宮真介、宣 卓、棟尾聡、
            小池雅紀、柳 彰、小川広次、
造園設計:ピーターウォーカー ウィリアムジョンソンパートナーズ
       (担当)ピーターウォーカー、三谷康彦         
建築施行:大成、太啓、伊藤建設共同企業体





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