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ロートレック展 〜パリ、美しき時代を生きて〜 | 2008.01.14 Monday |
セミナーの後、閉館間際のロートレック展に滑り込みました。
37年に満たない短すぎる生涯の、
なかでも晩年にスポットを当てた作品の数々・・・
T. Lautrec - Rousse (1889)
-Musēe d'Orsay-(c)Photo;RMN-Herve Lewandowski
貴族出身のロートレックが描く下町の人々・・・
どれも、実に温かく描いているような気がします。
歓楽街の娼婦や名もない踊り子たちへの慈しみ・・・
上の作品はMusēe d'Orsay(オルセー)からきたものです。
ドガの技法を踏襲したとされる「赤毛の女(身づくろい)」ですが
パステルの名手であるドガの、どこか冷たい完璧感とは遠い・・・
「愛」を感じる方は多いのでしょうね・・・
ブルーなニュアンスが美しい、とても好きな作品です。
Musēe d'Orsay(オルセー)は好きなミュゼのひとつ。
吹き抜けのがらんどうや、駅舎時代の名残の大時計がいいです。
ジスカール・デスタンスとたくさんの設計士たちが、
あのユニークな建物を、すっかりパリの名所にしたてました。
そのMusēe d’Orsay(オルセー)が所蔵していたロートレックの、
なかでも93年頃の作品、「踊るジャンヌ・アヴリル」あたりの作品が
好き嫌いは別として、彼の黄金期のような気がしています。
ロートレックの1880年代末〜1901年までの約10年間。
今観ても、ポスト・モダン的・・・
新しいですね!
そして、何度観てもやはりデッサン力には脱帽です!
タッチはライトで、おそらく早描き..
マチスに「フランスの北斎」と評せられたマルケが、
「点であっても命のないものは描かない」という北斎の言葉を引用したように、
ロートレックもまた、タッチに日本の版画からの影響を隠せないでいますね。
江戸後半の優れた絵師たちが、ヨーロッパ絵画の動向に与えた影響は
この国に生まれた者として、誇りと感じますね。
今回、初めて出会ったのはサンパウロからきた作品。
La Roue(1893)の色彩の美しさに目を奪われました・・・
来月あたり、サントリーで再会(?)できれば嬉しいです。
Henri de Toulouse-Lautrec/トゥールーズ=ロートレック(1864〜1901)
Photo:「赤毛の女(身づくろい)」1889(Musēe d'Orsay蔵)
Photo:「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」1891(サントリーミュージアム天保山蔵)
Toulose-Lautree et la vie parisinne
ロートレック展 〜パリ、美しき時代を生きて〜
愛知県美術館
名古屋市東区東桜1−13−2
URL; www-art.aac.pref.aichi.jp/
●今後のロートレック展については下記をご覧ください。
サントリー美術館 2008/1/26〜3/9
港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンサイド(ガレリア3階受付)
URL; www.suntory.co.jp/sma/exhibition/08vol01lautrec/index.html
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