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物語の森へ ☆ 絵巻物で観る古典


徳川美術館_黒門                     徳川美術館 黒門

   昨日夕方、遠方からの来客を徳川美術館(名古屋)にご案内しました。

   尾張徳川家に伝えられた大名道具を、数多く収蔵している美術館で、
   源氏物語絵巻を始め、国宝(9)や重要文化財1(57)を観覧できます。
   

徳川美術館01                     黒門から美術館を望む


   正面緑の屋根が美術館で、向って右手が蓬左文庫、左手は庭園です。
   ゲストのご夫妻は、常設の具足飾りなどの武具・刀剣、そして
   名古屋城二の丸御殿(一部)復元の展示に、大変興味を示され
   また大名の雅な「奥道具」には感嘆の声をあげられていました!



徳川美術館02


      ご近所に居ながら、なかなか足を運べないでいるのですが
      ちょうど興味深い企画展が催されていて、ラッキーでした!!
     
      企画展 : 物語の森へ 〜眼で楽しむ日本の古典〜

      絵画を通じて、古来より伝わる物語を目で楽しめる企画展でした。
      いってみれば、絵本感覚で古典を眺めることができる展示で、
      青い目のゲストにも、わかりやすかったのでは?と思いました!
     

poster物語の森へ                  物語の森へ ~眼で楽しむ日本の古典〜


        読み継がれ、そして語り継がれてきた日本の物語・・・
        「源氏物語」や「伊勢物語」、「平家物語」など、そのどれもが
        多くの絵画や工芸品などのテーマとされてきた古典ですね!             
        
        加えて、今回は作品名が失われたという貴重な絵巻もあります。
        平安末期成立の重文である、呼称「葉月物語絵巻」は必見です。

        ゲストは、特に「平家物語」に関心を寄せられた様子でしたが、
        今回、個人的に興味深かったのは源氏物語関連の作品でした。

        なかでも、森野家寄贈による六曲一隻源氏物語図屏風
        これまで観た、艶やかで燦然たる輝きを放つそれとは違い、    
        土佐派の画人による筆は、繊細で柔和な画風で惹かれました。

        抑制のある色調がかえって、王朝の人々の美しい所作を際立て
        雅な時代へのイマジネーションを駆りたてられるものでした!

        火災で半分焼失されたとありましたが、残念で
        所々、「絵」と「詞」の内容が対応していないのですが、
        よくぞ焼け残ってくれた...と感慨深い思いで観せていただきました。

        場面は、第一扇から順に・・・
        第二十一帖 澪標つくし(みおつくし)
        第十四帖   乙女(おとめ)
        第八帖    花宴(はなのえん)
        第二十三帖 初音(はつね)
        第三帖    空(うつせみ)
        第七帖    紅葉賀(もみじのが)

        紅葉賀(もみじのが)の帖には、特に好きなシーンがあるのですが
        絵を観ると雅楽の音色まで聞こえてくるようで、情景が浮かびます。        
        

        ところで写本や梗概書、そして注釈書等の多い源氏物語ですが、
        源氏物語 五十四冊の内(江戸)も印象深い作品でした。
        黒塗雁蒔絵箪笥に納められていた226冊に施された、
        黒の線が主体の、金泥や朱もみられる白描の挿絵です。             

   
        今回の企画展で、源氏物語関連の作品を記しておきます。↓

        【 王朝の物語 <源氏物語> 】    
        ●源氏物語絵巻(現状模写)
         柏木(二) 竹島圭史 制作・寄贈/宿木(一) 村岡貴美男 制作・寄贈
        ●源氏物語図屏風 六曲一双
        ●源氏物語画帖 -絵 土佐光則筆-
        ●源氏物語 五十四冊の内(個人蔵)
        ●源氏物語図屏風 六曲一隻(森野家寄贈)        
        


徳川美術館_御菓子
徳川美術館_抹茶
            園内には、茶室もありますが徳川美術館内の、
            カフェラウンジでも、気軽にお抹茶はいただけます。




蓬左文庫                       蓬左文庫

     
        徳川美術館に隣接する「名古屋市蓬左文庫」です。
     尾張徳川家の旧蔵書を収容する公開文庫で、展示室もあります。  

     只今、この文庫でも源氏物語にちなんだ作品が展示されていて
     先述とは別の「源氏物語図屏風」もご覧になれますが、
     こちらは、伊藤千会子氏の寄贈による17C(江戸)の作品で
        六曲一双、12の帖から選ばれたシーンの押絵貼りです。

     また、この屏風のある展示室では「源氏香」も観覧できます。
     「源氏香」は「組香」のひとつで、徳川吉宗の頃からある香遊びです。

     香木の香りをきいて、その答えを五本の線を用いて表すのですが、
     「源氏物語」の各帖の名前をあてて呼びならわされています。
     (初巻「桐壺」と終りの「夢浮橋」を除いた五十二帖)     

     「菊の蒔絵箱」と共に東南アジア産の「伽羅:銘 花散里」や
     「真南蛮:銘 須磨」「真南蛮:銘 野分」が展示されていました。
     香りに興味のある方は、是非どうぞ・・・
 


Anemone hupehensis var. japonica.
            蓬左文庫の前庭で、秋の訪れを告げる可憐な白い花・・・
         ここではあえて、貴船菊と呼びたいですね。


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            NEW  徳川美術館 特別展「尾張徳川家の雛まつり」   2010/3/2      
                      お雛祭りは地方によって風習は異なるようですが...
                その原点は厄払いをするという禊(みそぎ)にあったようですね。
                                   by le Magazine ★ Richesse
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                    徳川美術館
             THE TOKUGAWA ART MUSEIN

        ==========================================
                  名古屋市東区徳川町1017
                   TEL:052-935-6262
                   OPEN:10:0017:00
                   月曜日休館です。Pあり
                  http://www.tokugawa-art-museum.jp/index.html
       ======================================
              【 物語の森へ 〜眼で楽しむ日本の古典 】
         ※  この企画展は2009/10/4迄です。写真はすべて9/29撮影。
         ※ 次回秋季特別展:10/10より「戦国ファッション〜武将の美学〜
         ※ 現存最古の国宝・源氏物語絵巻(原本)の公開は11/21から。  

               +++隣接の徳川園での観月会の記事を更新しました↓+++
                観月 〜徳川園で風雅な夜〜 
                 
      2009/10/4            
Art ☆Museum(アート・美術館) : comments(2) : - : posted by le Magazine ★ Richesse
ふらんす懐石 修廣樹 @ 横浜元町
JUGEMテーマ:グルメ


修廣樹_07


    雑誌の編集に携わっている友人の、元町でおすすめの食空間です。
    リーズナブルで美味しいよということで、先日ふらりと出かけました!

    「ふれんち懐石」とありますが、本当に気取りのないレストランで
    ビルのらせん階段を上った所にあり、お店構もカフェのような雰囲気...
    
    ですが棚に並ぶのは、こだわりのワインばかりで
    農薬を使わず、自然の肥料だけで栽培するビオロジックワインや
    さらには、農作業や剪定の日を天地占星に基づき行うという、
    ロマネ・コンティにも注目されている農法によるビオディナミワインです。

    余談ですが、地元でよく利用するリストランテも
    豊富にビオワインを揃えていて、そこのシェフもやはり
    有機野菜を巧みにメニューに取り入れていらっしゃいます。
    年々、こうしたレストランが多くなり嬉しい限りです!

    ビオディミナ農法では、天体の動きが葡萄に影響を与えると考えられ、
    また、畑を取り巻く生態系を最も重視するワイン作りがなされるそうです。


    ところで、「修廣樹」は17周年ということだそうですが...
    まわりのお客様は、どうやら常連の方ばかりで、
    オープン当時のエピソードで、会話が弾んでいらっしゃいました。
    このお店が長きにわたり愛されてきたのがうかがえます。

    さて、お店の方のお許しをいただき撮らせていただいたディナーです。
    シェフ「春成豊氏」の創意工夫に満ちたお料理です。
    「17th アニバーサリー9月の献立」から...


元町ふらんす懐石修廣樹_17th01
           フヌイユ、そして新秋刀魚のエスカベッシュです。
           爽やかなオレンジ風味が、舌のうえではじけます。



修廣樹_17th02
        ラタトゥイと雑穀米、そして活〆蒸し穴子のコントラストです。
        初めて体験する素材の取り合せで、穴子はふっくらと柔らかい...
        バルサミコ・ヴィネガーに山椒の香りがからみ、和テイストでした。



修廣樹_17th03
           栗カボチャの冷たいスープです。
           浮かんでいるのは、全乳ヨーグルトのシャーベットです。
           お味はしっかりついているのですが、爽やかで美味しい...



修廣樹_17th04
     アイナメのポワレ、エノキ茸と白ワインのソースです。
     トッピングはクレソン、そして空心菜のソテーも下に...
     カップの中はキノコたっぷりで、秋色です!
     マッシュルームのロワイヤルに、舞茸のブイヨンが添えられていました。



修廣樹_17th05
         バルバリー仔鴨胸肉のエギュイエットです。
         これ、とても柔らかい・・・
         向って左端に添えられているのは、フォアグラのムースです。
         そしてイチジクとリュバーブのコンフィチュール、
         鴨肉の右には秋茄子のコンフィです。
         これを、お皿のうえでMIXしていただきました。


         写真はありませんが、パンはすべて天然酵母のものでした。
         どのプレートにも野菜がふんだんでヘルシーメニュー、しかも
         バリエーション豊かに使われて、季節感が映し出されれたものばかり!
         ここでしか味わえないような、オリジナリティあふれるお味でした。
           


         そして食後には、3種のデザートです。 
    
    
            左上:和梨と洋梨のシュルプリーズ
            左下:クレーム・ブリュレ
                (天津甘栗と焙じ茶のブリュレです)
            右下:モカとキャラメルのイル・フロッタント、
                ヘーゼルナッツのスープ仕立て

            紅茶は蓋付きのティーカップで運ばれてきました!
                       


                 ふらんす懐石 修廣樹
             ==============================
               横浜市元町2丁目96-1 嶋田ビル2F
                  TEL:045−664−9630
                                    OPEN:11:45〜22:00
               最寄り駅:元町中華街駅(5出口3分)
                      * 月曜日お休みです。
                              http://shukoju.jp/index-j.html
Delicious Space(美味しい空間/食事編) : comments(0) : - : posted by le Magazine ★ Richesse
臨春閣 ☆ 数寄者が集めた古建築


臨春閣から望む旧燈明寺三重塔             

     引き続き、三渓園内苑のPhotoです。
     こちらは、 臨春閣から望む「旧燈明寺三重塔」です。

     数寄屋橋風書院造の臨春閣は、三つの歴史的建造物から成り、
     第一屋、第二屋、第三屋は、「玄関」、「謁見」、「日常生活」と
     用途により、それぞれの設えは異なっています。
 
     重要文化財のため、普段は建物内部には入れず庭からの写真で、
     どれもよくないのですが、よろしかったらお付き合いくださいませ。



     まずは、臨春閣第一屋にある「瀟湘(しょうそう)の間」からどうぞ・・・

臨春閣第一屋_瀟湘の間

     不鮮明ですが、欄干に施された波文様がおわかりになりますか?
     桃田柳栄が描いた下絵に、忠実に彫られた文様が涼しげです。

     玄関の間とされる第一屋には、この他に三つの部屋、
     「鶴の間」と「花鳥の間」さらに「台子の間」があります。    



     そしてこちらは臨春閣第二屋で、謁見のために使われた、
     「謁見控えの間」と「上座」そして「下座」の三間です。

臨春閣第二屋_謁見の間


       右手は「控えの間」として使われた「琴棋書画の間」で
       正面の障壁画は、「狩野探幽」の筆によるものだそうです。
       臨春閣の襖絵や障壁画は狩野派の画人たちの作が目立ちます。



琴棋書画の間_襖絵探幽                       臨春閣第二屋 琴棋書画の間

     こちらも控えの間で、襖絵は同じく「狩野探幽」の筆によるもの。
     「探幽」は、狩野派随一の天才と称された画人「永徳」の孫にあたり、
     江戸幕府の御用絵師として名刹の障壁画制作に関わっています。

     軽淡な筆墨ですし、大きな余白が美しくて魅了されますね。
     そういえば名古屋城にも「探幽」の「雪中梅竹遊禽図襖」がありました!



      さて、こちらは下座となる「浪華(なにわ)の間」です。
      この奥が上座の「住之江の間」です。

臨春閣_浪華の間_00                      臨春閣第二屋 浪華の間          

      縦吹き寄の幅広の紙張り障子で、奥の間とは異なるデザイン...
      また、欄干の障子の外(縁がわ)側にも、が張られていて
      陽ざしを受けたその影は、内側の格子と重なることもなく、
      このふたつがあいまって、繊細な美しさを醸し出していました。


臨春閣_浪華の間_01                浪華の間(下座)から住之江の間を観る                



臨春閣_浪華の間                     浪華の間 欄干と襖絵


       襖絵は、狩野永徳によるものだそうです。
       また欄間の菊の透かしの中央には、和歌色紙がはめ込まれ、
       これは「殿上人」の筆による「浪華十詠」と案内にありました。
       「難波の景勝地十景」を20名の殿上人が詠んいるのだそうです。

        ※ 公家には三位以上の公卿と、四位・五位の殿上人がいますが、
         昇殿を許された六位の蔵人も特別に殿上人に含まれていました。


      

      ここからは臨春閣第三屋となります。
      ここには、「天楽の間」「次の間」「三の間」があります。      


臨春閣第三屋 天楽の間                   臨春閣第二屋 天楽の間

      案内には、「四季山水図」は「狩野安信」によるとあります。
      Photoにはありませんが、欄干に笛とかの雅楽器が飾られ、
      これには、ちょっと驚きます!まさに、「天楽の間」?!

           
      続いて、「次の間」です。       
     
第三屋_次の間階段口                   臨春閣第三屋 次の間

       第三屋は、当時としては珍しい二階建ての造りです。
       右手の壁には禅宗建築にみられる火灯窓が使われ、
       奥の階段は、二階に上がるためのものだそうです。



三渓園臨春閣03                  臨春閣 第三屋

       旧天瑞寺寿塔覆堂から眺めた臨春閣第三屋です。
       矩折寄棟造で檜皮葺き(上層)とこけら葺き(下)の二層式!

       左手の橋には、檜皮葺きの屋根があります。
       ↓ こんな風にベンチ(?)が設けられているのですが、
       案内によると、「亭樹」というのだそうですよ。


三渓園内苑_亭樹


              向こうにちらりと見ているのは「聴秋閣」で、
              京都の二条城から移築されたものだそうです。

        知れば知るほど、ふぅ〜とため息・・・
        大物買いの三渓には、驚嘆させられるばかりですが
        数寄者には珍しく高潔であったとも云われています。

        関東大震災で壊滅した横浜のために
        私財を投げうって復興に努めたそうです。
        そして、その後は美術品の収集を断り続けたと聞きます。


        ※ 三渓園 臨春閣の全景の写真はこちらにあります。
        ※ 三渓園関連記事 三渓園の内苑 臨春閣全景と御門
                     三渓園の外苑と内苑記念館の抹茶処 
        ※ 三渓園臨春閣の画像は、すべて2009/9/24の撮影です。
        ※ 臨春閣・白雲邸・鶴翔閣の建物の内部公開は夏の期間に
          行われています。指定公開日はお問い合せください。

                 財団法人 三渓園保勝会
             ==============================
              神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1
                  TEL:045-621-0634〜5
                http://www.sankeien.or.jp
           ===========================
                                 
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三渓園 臨春閣へ


三渓園14内苑臨春閣全景                  三渓園 臨春閣(重要文化財)



   2007年、国の名勝に指定された横浜本牧の三渓園は、
   はじめ外苑が一般公開されましたが、この建物がある内苑は
   1958年の公開までは原富太郎(号:三渓)の私邸エリアでした。

   横浜銀行前身である、横浜興信銀行の初代頭取であり、
   生糸貿易と製糸で財を成した実業家でもあった原三渓
   古建築や美術品収集家としても知られ、近代数寄者のひとりです。

   文化支援にも積極的で、三渓により見出された優れた画家には、
   安田靫彦、前田青邨、小林古径、今村紫紅、横山大観、下村観山らが...

   Photoは三渓のその審美眼によって和歌山(紀の川沿い)から、
   なんと11年もの歳月をかけ、念いりに移築された臨春閣です。

   紀州徳川家初代、頼宣が1649年に建てた別荘建築と案内にあります。
   数寄屋風書院造という瀟洒なつくりで、夏の別荘というだけあり
   柱の数が極力抑えられているようで、涼風わたる雰囲気が窺えます。

   この臨春閣へは、記念館の奥にある御門 ↓ から通じています。


三渓園内苑_御門                     御門(三渓園内苑)



三渓園内苑_御門02


   御門をくぐると、右手に三渓が隠居所として建てた白雲邸があります。
   大正9年(1920)の建築だそうで数寄屋風造は横浜市指定有形文化財です。

   古建築を自邸として移築したほどの数寄者「原三渓」ならではの
   素晴らしい隠居所で、ここで亡くなるまでの20年間を過ごされたようです。




三渓園内苑_白雲邸前


              正面に見えるのが、臨春閣の門です。



三渓園臨春閣02_門


   祖父に連れられ、いく度となく足を運んだ三渓園のこの内苑。
   「数寄者のなかでも、三渓は格別なんだよ」
   今頃になって、ようやくその意味がわかりかけてきたような・・・(苦笑

   内苑が完成した際、三渓は記念茶会(大師茶会)を開いていますが、
   大正12年(1923)のこの茶会には、当時茶の湯や骨頭美術に精通した、
   また、その収集が好事家の衆目を集めるような多くの数寄者たち、
   根津青山や、服部莱々堂森川如春仰木魯堂らが集ったそうです。

   またこの席主には、仏画や仏具を茶席の設えに持ち込んだといわれる、
   仏教美術にも長けていた数寄者、益田孝(号:鈍翁)もいました。
   国宝級の美術品を多く所蔵した収集家として、三渓と並び称された鈍翁です。
   鈍翁が今も続く大茶会「大師会」を主催したのは、よく知られるところですね。


   * 次は、三渓園「臨春閣」の建物内部のご紹介です。
      * 三渓園外苑関連記事はこちらです。
   * 写真はすべて2009/9/24撮影です。
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お散歩あとに一服いかが?@ 横浜本牧 三渓園


三渓園_外苑04茶寮前                       三渓園 大池


     昨日の午後、訪ねた本牧(横浜)にある国指定の名勝「三渓園」です。
     連休明けで混雑もなく、桜木本町からタクシーで20分ほどで着きました。
     初秋の風を受けながらの庭園散策・・・




le24sep2009三渓園              大池より旧燈明寺三重塔(重要文化財)を望む


     小舟が浮かぶ池の向こうにそびえる三重塔は、
     まるで古都のような雰囲気を醸し出していますね。

     旧燈明寺三重塔と呼ばれ、関東圏では最古(室町)の建築だそうで、
     案内には大正3年(1914)に、京都燈明寺から移築されたとありました。

     昨日のように風のある日は、三層の軒に吊るされた風鐸が
     揺れるようで、その素朴な音は心地よく響きます。



三渓園外苑_八橋                       外苑 八橋


     苑内は梅や桜、藤などが咲き誇る季節に比べると華やぎが薄く、
     また、紅葉にはやや早いため、人影もまばらで静かでした。
      (もしかしたら連休中は、混み合ったのでしょうか?)



三渓園外苑_すすき


     萩の小さな花々や、ススキの穂が風情を添える外苑には
     秋の気配が微かに漂って、初めてこの季節に訪れましたが
     とても穏やかで心和む時間を持てました。
   


三渓園_外苑05


    この旧燈明寺三重塔以外にも鎌倉や京都、和歌山、
    そして岐阜などからも移築されたという、17棟にも及ぶ建造物が
    苑の内外に配されているのですが、うち10棟は重要文化財指定です。

    これら古い建造物を眺めながら、その時代に思いを馳せるのもよし、
    苑内の鬱蒼とした木々のなかを、草花と話しながら歩くのも愉しい・・・

         

三渓園_楠公社と観心橋_萩                      楠公社と観心橋

     
     朱が鮮やかな観心橋・・・
     ですが、もとは白木だったと案内にありました。

     楠公とは、南北朝時代の武将「楠正成」を云うそうです。
     大阪で建立された観心寺が、ここに移築された際に
     高村光雲の弟子(彫刻家)により彫られた楠公の木像は、
     空襲で社殿と共に失われたようで、観ることが叶わず残念です。



三渓園_外苑03



三渓園外苑_萩


     時間の制約があるなかでしたが、内苑にも足を延ばしました。
     生糸の製糸と貿易で財を成した実業家でもあった原富太郎(号:三渓)の、
     こちらは私邸があったエリアで、ここに佇む数寄屋建築は必見です!
     御門の前には三渓園記念館があり、三渓所縁の美術品を拝見できます。


三渓園記念館(美術館)                       三渓園記念館


     原三渓が支援したという芸術家たちの逸品が収められ、
          三溪自筆の書画も展示されていました。圧巻は障壁画!
 
     さて、約5万3000坪とも云われる広さを誇る三渓園ですが、
     散策で乾いた喉を潤してくれる抹茶処が、記念館にはあります。

          一服いかが?と望塔亭・・・
     ここでは立礼席が設けられ、釜の湯はフツフツとたぎっていました。
     お手前を拝見しながら、お茶を喫することができるのは嬉しいですね!



三渓園_抹茶処望塔亭                          望塔亭

   
    桃色と白・・・いただいた落雁は、どちらもほんのりと甘い餡入りです。
    京都で作られているというこの御菓子は、記念館で購入できます。
     

   

    三重塔のモチーフが浮かびあがった、この落雁を口に含むと    
    白と藍のコントラストが美しい染付の茶碗で、美味しいお薄が運ばれてきます。

    この日は、江戸千家「後藤幸雪」先生と門下の方々のお手前でしたが
    「どうぞ、ご自分の流儀で召し上がってください」と皆さんにお声掛されました。

    
    ところで、萩の花やススキの他に、
    外苑で迎えてくれたお花をもうひとつ・・・

             
le24sep2009三渓園_彼岸花                ↑ クリックで大きな画像になります。


      ちょうど見ごろの彼岸花が、鮮やかな朱を放っていました!


      昭和二十八年、原家から横浜市に寄付された三渓園ですが、
      現在の維持管理は財団法人「三渓園保勝会」によりなされています。
                     


                 財団法人 三渓園保勝会
             ==============================
              神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1
                  TEL:045-621-0634〜5
                http://www.sankeien.or.jp
           ===========================
              ●三渓園開園時間:9:00〜17:00
              ●入園料:大人¥500 こども¥200
              ●12/29・30・31は休園です。
              ●Pあり(乗用車¥500)


      * 次は内苑の歴史的建造物をご紹介します。臨春閣の内部写真です。
            * 三渓園関連エントリーはこちらとこちらです。
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