杉本博司の建築と写真展 @ IZU PHOTO MUSEUM |
2009.12.28 Monday |
IZU PHOTO MUSEUM 2009/12/27 sun.
今秋(10月26日)に開館の「
IZU PHOTO MUSEUM」は、
現代美術作家、写真家でもある杉本博司氏の美術館です。
オープン以来、訪ねたかった美術館ですが
昨日の午後、ようやくその望みが叶いました!
年の瀬でしたが、高速は思いのほか順調に流れ
まずは神奈川厚木まで、所用を済ませてから再び東名にのりました。
昨日は下りで、裾野ICから沼津方面へのアクセスでしたが、
名古屋方面からなら、沼津ICで降りればまもなくです。
杉本博司氏のIZU PHOTO MUSEUMは新設のギャラリーですが
この建物が佇むエリアは、クレマチスの丘という複合施設で
敷地内には他にも美術館やレストラン、ショップ等が点在しています。
ところでこの美術館の設計ですが、案内には新素材研究所と...
メンバーには杉本博司氏ご本人と榊田倫之氏の名があり、どうやら
内装から坪庭にいたるまで、杉本博司氏ご自身による改修のようです。
アプローチや坪庭に積まれた石の層がプリミティブで、
館内から望める中庭には、なんと「石室」が造られ
それらはモダンな空間に絡まりながら、調和をとっていました。
IZU PHOTO MUSEUM アプローチ
古美術にも造詣の深い杉本博司氏は、多くの作品のなかに
古いものを取り入れていらっしゃいますが、作庭の中でも
古代の「石室」を模すという杉本氏ならでは表現をされました!
ところで開催中の企画展ですが、3月16日まで
「
杉本博司 光の自然(じねん)」展がご覧になれます。
写真のパイオニア「ウイリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット」への
オマージュともいえる個展で「銀塩写真へのレクイエム」とありました。
IZU PHOTO MUSEUM エントランス
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杉本博司 光の自然
HIROSHI SUGIMOTO
NATURE OF LIGHT
2009/10/26 mon. 〜 2010/3/16 Tue.
主催 IZU PHOTO MUSEUM
協力 ギャラリー小柳、新素材研究所
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Gallery_1 放電場 ”Lightning fields”
Gallery_3 光子的素描 "Photogenic Drawing"
ギャラリー1の扉を開けると・・・
照明を落とし、潔いほどシンプルな空間のコーナーに
鎌倉時代に彫られた木彫りの「雷神像」が高い位置に佇み、
一方壁には「放電日月山水図」と題された六曲一双の銀塩写真!
息を呑むような大作で、厳かな雰囲気を湛える屏風は
帯電したフィルムを水の中に浸す試みで生まれた作品だそうです。
そして、次のギャラリーで展開されたのは
「フォトジェニック・ドローイング:光子的素描」の数々・・・
タルボットの紙ネガの複写に、彩色を施したものだそうです。
William Henry Talbot/ウィリアム・ヘンリー・タルボットは、
19C中頃、感光剤を塗布した紙をネガとして像を定着させようと
思考錯誤の末にカロタイプというネガ・ポジ法を発明した方です。
カタロ(タルボ)タイプ独特の、画像の不鮮明さがかえって
アートとして味のニュアンスを醸し出し観る者を惹き込むようです。
リーフレットにも大きく載っていたフォトジェニック・ドローイングは
2008年の作品で、長いタイトルが付けられていました。
「タルボット家の住み込み家庭教師、
アメリナ・ペティ女史と考えられる人物、1840-1841年頃」
面白かったのは「植物標本、おそらくローズマリー 1835年頃」、
それは間違いなく、ローズマリーの標本でした!(笑
杉本博司氏のOfficial Siteを是非ご覧ください。
IZU PHOTO MUSEUM 中庭「石室」
IZU PHOTO MUSEUM
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静岡県駿東郡長泉町クレマチスの丘347-1
TEL; 055-989-8780
OPEN; 10:00 ~16:30(16:00入館)
CLOSED; Wed.
Pあり(クレマチスの丘)
http://www.izuphoto-museum.jp