le Magazine ★ Richesse                                                      リシェスなささやき・・

ルドゥーテと薔薇園のロサ・ケンティフォリア


Book Les Roses2008 001             バラ図譜復刻版/P.J.ルドゥーテ(河出書房新社)
 


        昨年購入した『 Les Roses 』は、初版原寸大の復刻版です。
        この『 バラ図譜 』には、19Cはじめの刊行当時確認されていた、
        世界中のすべての薔薇が網羅されているそうです。

        全3巻にわたる169点の図版と、C.Aト.トリーによる品種の解説。
        これらは1817〜1824年にかけ、30分冊形式で刊行されました。
          
        この薔薇図譜の刊行を成し遂げた植物画家はP.J.ルドゥーテ。
        「花のラファエロ」と称されたピエール・ジョセフ・ルドゥーテです。

        1759年、ベルギーの小さな村に生まれたP.J.ルドゥーテは
        13歳で画家になるべく修行の旅に出たといいます。

        旅先で出会ったオランダ静物画、特に花の描写に心惹かれ、
        その後、パリの王立植物園で花の写生に勤しんだそうです。

        当時はもちろん写真などない時代・・・
        植物画家には、科学的正確さが求められたようです。

        P.J.ルドゥーテは植物学者から、学術的知識を得た一方、
        自然史博物館の絵画教授からは植物描写を学んだといいます。

        そして・・・
        あのマリー・アントワネットの蒐集室付素描画家にも任命されます。

        さらに、別の絵画教授のもとで植物描写の研鑽を積みながら、
        かって学んだ技法を発展させた多色刷りの点刻彫版技法をうみ・・・

        ついに、P.J.ルドゥーテにとっては最初の植物図版となった、
        『多肉種物語』を完成させ、その才能は高く評価されるのでした。         
            
        やがてP.J.ルドゥーテはナポレオンの皇妃ジョセフィーヌの援助を受け、
        ヴァントナの『マルメゾン庭園植物図譜』に120点もの植物画を描きました。

        今もってボタニカルアートの最高傑作といわれるこの名著は、
        ロンドン、ザザビーズで1万8000ポンドで登場したそうです。(1987)

                ルドゥーテはこのヴァントナの図譜により名声と富を手にしたのですね!


        さて、Photoの『バラ図譜』はジョセフィーヌ亡き後の刊行ですが
        彼女が世界中から調達したマルメゾン庭園の薔薇をご覧になれます。



Book Les Roses2008 002            バラ図譜復刻版/P.J.ルドゥーテ(河出書房新社) 

           
         
        いつの頃からか、オールドローズに魅せられ、
        実際マルメゾンにも出かけてはみましたが・・・

        ジョセフィーヌのご自慢だったといわれる英国式庭園の面影はなく、
         (この時代、ヨーロッパで英国式庭園は大流行したそうです)
        ルドゥーテの描く薔薇の中に、皇后の熱い思いを見出すのでした。

        当時、園芸や植物学の分野では新情報の発信は英国がリードし、
        1796年には、M.ローレンスによる薔薇研究書も出版されていました。

                そう・・・
        激動のパリで、ジョセフィーヌはフランスでもM.ローレンスのような、
        すばらしい薔薇の本を作りたく、P.J.ルドゥーテに声をかけたのでした。 




花フェスタ rosa centifolia_20090527  002              Rosa  centifolia 作出:1596年以前



          さて、こちらは先日訪れたバラ園の薔薇・・・
          一季咲きのオールドローズ、ケンテフォリア種です。

          キャベッジローズとも呼ばれているこの種小名には、
          100枚の花弁・・・という意味があります。

          15C末にオランダで生まれたという説が有力のようです。
          そしてこちら ↓ は、ルドゥーテの描いたロサ・ケンティフォリア。  



rosa centifolia_Book_Les Roses             でき得る限り線描を排した点刻の多色刷り銅版画




          初版本はクリスティーズなどのオークションでも滅多にない
          大変珍しい、保存状態が最上評価のものだそうです。

          P.J.ルドゥーテのスティップル(点刻彫版)による原画は、
          パリの印刷所ですばらしく見事な銅版画に刷られました。





花フェスタ rosa centifolia_20090527  005



          小雨のなかの庭園散策でしたので、
          まるで、朝露を纏ったかのようなロサ・ケンテフォリア
          レンズが雨滴で曇っています。




花フェスタ rosa centifolia_20090527  004



          ケンテフォリア種は、ダマスクローズのような強香ではなく
          爽やかで優しい芳香を辺りに放ってくれていました。

          この種の香料は種にアブソリュートで抽出されています。
          アブソリュートは薔薇の花を溶剤抽出したコンクレートから得ます。

          水蒸気蒸留によるダマスクとは異なる成分の芳香はいかにも薔薇!
          フェニルエチルアルコールが高含有で、香水創りには人気ですね。 

          ジャン・パトウによる「JOY」は、ケンテフォリアのアブソリュートと
          ダマスク種のローズ精油をブレンドして創られた代表的香水です。          

          五月の薔薇・・・
          グラースで有名なあの「ローズ・ド・メ」もケンティフォリアの仲間です!

       
          2日間の学会が終わり、午前中ちょっと一息でした。
          薔薇園のPhotoを整理して、またUPできればと思います。






BOOK(みる本、読む本、眺める本) : comments(0) : - : posted by le Magazine ★ Richesse
モダンの原点 ★ BAUHAUSBUCHER

le18fevrier2009-book_paul klee-01



              クレーが好きです。



Atelier-Bauhausbucher-paul klee



          日頃は、特にページを繰るというわけでもなく、
          これは、シンプル・オブジェとしての優れもの。

          モノトーンな、インテリア・アイテムとしての本。

          そこにあるだけで、
          PAUL KLEE(パウル・クレー)のオーラ!!(笑




book-Bauhausbucher-paul Klee-07



          パウル・クレーは1921年からバウハウスで教鞭を執り
          基礎造形論、色彩論を講じたそうです。

          昨年開催された、東京藝術大学大学美術館での
          「 BAUHAUS experience, dessau では
          バウハウス・デッサウ財団所蔵のコレクションが公開され、
          パウル・クレーの授業のノートも展示されていました。

          この本の翻訳者の利光 功氏は、
          これを「教育スケッチブック」と呼びました。




book-Paul Klee-003
                 BAUHAUSBUCHER_PAUL KLEE



            クレーの言葉・・・

            「 尺度は線という要素の
            重さは明暗という要素の 
            質は色という要素の印である
。」

            ム・ム・ム???

            読めば読むほど、迷路に入り込み
            あまりに難解で・・・
            実は、ただ飾ってあるだけなのです(苦笑

   
  
  
  
================================== 
バウハウスについて

1919年にドイツ(ヴァイマール)に誕生した造形芸術学校をいう。
閉校後も世界中のデザインや建築に多大な影響を与えてきたといわれる。 
===================================
BOOK(みる本、読む本、眺める本) : comments(0) : - : posted by le Magazine ★ Richesse
<< : 2/2 :